こんにちは、ちえのわです。
前回の記事では新生児集中治療室の日勤スケジュールについて、実体験100%でかなり詳細にお伝えしてみました。
まだ読んでないよ、という方は先にチェックするのがおすすめです!⇩
さて、今回は夜勤編です!
夜のNICUがどんなふうになっているのか、気になってきませんか?
今回もわたしの前職での経験を100%詰め込んで、タイムスケジュールも公開していきますので最後までぜひ読んでみてくださいね。
- 新生児集中治療室(NICU)で働きたい、働く予定のある人
- 夜勤業務について知りたい人
- 日勤編を読んで夜勤編も気になってしまった人
目次
NICUの夜勤は少し短い

夜勤の勤務時間は21:00~翌9:00の12時間でした。
一般病棟での夜勤は2交代制の場合16:00~翌9:00なので、それに比べると夜勤の勤務時間は短いと言えます。
その理由としては、
- ルーチン業務が続くため、身体的負担が大きい
- ルーチン業務の合間で休憩に行くため、休憩が1時間~1時間半しかとれない
の2つがあります。
これからタイムスケジュールも紹介するので、ルーチン業務についても読み進めてもらうとよく分かります。

夜勤が短くていいね!と言われたこともありましたが、休憩も短いのでへとへとでした。朝になると頭が回らない・・・
新生児集中治療室(NICU)看護師の夜勤スケジュールはこちら

夜勤ではこのようなスケジュールでほぼ毎回仕事をしていました。
ここから3時間ずつ詳しく解説していきます。
21:00~0:00
21時ちょうどにフロアへ出勤します。
受け持ちを確認後、a勤務リーダーから申し送りを受け、情報収集に移ります。
栄養や点滴の指示を確認し、メモをとって忘れないようにしておきます。
栄養指示は以下のように分かれており、指示どおりに栄養をあげていきます。
経管栄養:3時間毎に指示された量を30分で注入
経口栄養+残注入:3時間毎に指示された量を哺乳し、飲み残しを経管で注入
自律哺乳:1日7回を目安に患児の欲しがるタイミングで哺乳、追加も可能
検温指示も修正週数や状態により異なります。
1時間毎もしくは3時間ごとに心電図モニタとSpo2モニタの数値を経過表へ記入する
栄養投与時に毎回体温測定を実施、勤務に1回以上は聴診や触診も実施する
成人では1日3回なのに対して3時間毎でも1日8回なので、かなり多いことが分かります。
1時間もしくは3時間毎に検温、3時間毎の定時栄養を実施しながら、合間で自律哺乳児の哺乳をします。
哺乳前にはおむつを変え、哺乳後にはげっぷをさせるので一通り終えるのに20~40分はかかります。
夜勤帯は3~5人を受け持つので、単純計算で5人で150分(2時間30分)を3時間の中でやりくりして終えます。

指示通りのルーチンをこなすだけで夜勤中のほとんどの時間は終わってしまいます・・・合間で寝ないこどもたちの抱っこをして、記録を書いて、とスキマ時間も忙しく過ごします。
0時前には血糖測定を介助し、高血糖の際にはインスリン注射を準備し医師に打ってもらいます。
このあと当直医は当直室で休憩に入ってしまうので、最初に確認した指示で不明確な所や、呼吸器設定、コール基準などを確認しておき、無駄にコールしないようにします。
0:00~3:00
0時になったら栄養注入、哺乳をします。
この後順番に休憩に入ってしまい人手が減るため、挿管児の体位交換やダブルチェックが必要なものなど、1人では出来ないことを済ませておきます。
先程伝えたとおりルーチンワークにかなり時間を必要とし、他の人の分もやる時間がないため、栄養時間の合間で休憩に入る必要があり、自ずと休憩時間が短くなります。
1時間半入りますが、患児の状態が安定しなかったり、哺乳に時間がかかったりと業務が押してしまうと1時間しか入れないときもあります。

休憩があっという間すぎて休んだ気になりませんでした・・・1時間ってお昼休憩と同じ・・・
合間をみて、ルーチン以外の業務もやっていきます。
- 当日opeの準備(書類確認、物品の整理、持ち込み物品の準備、挿管/点滴確保の準備)
- 環境整備(作業台の拭き掃除、保育器やベッドの拭き掃除)
- 担当患児の計画評価、サマリ等の作成
- 面会ノートの記入や飾り付け
夜間帯ももちろん自然分娩や緊急帝王切開があるので、緊急で入院を取る場合もありますし、
酸素を使用している患児の急変で再挿管などトラブルもままあります。
そうするとルーチンワークも滞るくらいに忙しくなってしまいます・・・
3:00~6:00
3時になったら、0時同様栄養注入や哺乳を行う他、5時前後には自律哺乳児の哺乳をします。
自律哺乳児は1日7回目安であり、目安量も決まっています。
正期産児の場合、生後7日目までは(10×日数)mlを目安に増量していきます。8日目以降も量を増やし、最終的には(体重kg×120~150)mlを目安に飲ませます。量が少ないと満足しませんし、多すぎても吐き戻しやすくなってしまうのでおすすめしません。1日30g程度体重が増えるように日々調整していきます。
早産児の場合は、消化管機能が未熟なため正期産児のように量は増やしません。消化がきちんとできているか、便が出ているか毎日確かめた上で慎重に増量していきます。

看護師
やばい!夜間帯で思ったより寝てしまって哺乳回数が1回少ないよ!このままじゃ目安量に届かないかも!
と朝になって気づいても遅いので、夜のうちに哺乳量が足りているかチェックし、少なければ1回量を増やすなど調整も必要です。
自律哺乳はこどもたちのタイミングで飲ませるけれど、その結果哺乳量が足りないと、栄養不足になり体重の増えが悪くなってしまいます。
栄養士の代わりに看護師がカロリーコントロールしているんです!

朝が近づき、5:00を回ってくると当直医が目をこすって起きてくるので、順番に採血介助に付きます。
一般病棟では看護師が早朝採血に回りますが、NICUでは医師が採血をしています。
早産児、新生児の血管は非常に細く侵襲度の高い処置になるためです。
採血が終わった患児から順番に6時の栄養をあげていき、ようやく夜間帯の栄養投与は終了です!
6:00~9:00
8時に日勤者が出勤してくるまでの間に、今日手術を受ける患児の気管挿管と、点滴確保をやっておきます。
新生児科の手術も成人と同じく手術室で行われますが、手術部看護師は新生児の気管挿管介助や点滴介助のプロではないため、NICUでやっていく事になっています。
夜勤明けで眠く体力も消耗しているので、判断を間違わないように看護師同士声を掛け合いながら行っていきます。
8時に日勤者が勤務を始めるため、口頭で申し送る必要があることをメモでまとめておきます。

頭で考えていても、夜勤明けの頭には留めておけず、いざ送る時に一言も出てこないことがあります・・・メモでまとめておけば、それを見て思い出しながら話すことが出来るので安心!
申し送りが終わったら、最後の仕事が待っています。
「調乳」です!
調乳作業とは、患児全員の1日分の栄養を指示量で回数分準備することです。
NICUで保存している冷凍母乳や栄養室から用意されてくるミルクを、指示量通りにシリンジや瓶に分けて準備します。
調乳作業で重要なのは、「指示量を間違わないこと」「衛生的に取り扱うこと」「患者誤認をしないこと」の3つです。
何度も言いますが夜勤明けなので、自分は今間違いやすい!と意識しながら作業します。
調乳を終えたら長い夜勤は終了となります。
まとめ
NICUでの夜勤業務はこのような流れになります。特徴は以下の3点です。
- ほとんどの時間をルーチンワークに割いている
- 合間でこどもたちのお世話や記録、ope準備などをやる
- 夜勤明けの眠い時間に集中力を要する業務がある
思ったより大変だな・・・と思われた方もいると思いますがやりがいもありますよ。
今後NICUで働く方はぜひ頑張ってくださいね!

ちえのわ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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